NAIST寮から京都に引っ越して

京都に引っ越してきて,2ヶ月ほど経った. こちらでの生活にも慣れてきたので,これからは公私ともに,色々と挑戦していきたい.

さて,今日は,NAIST寮での暮らしと京都での(私の)暮らしの比較をしてみたいと思う. まぁ,ある種の覚え書きだ.

ちなみに,NAISTの大学院に入るまでは大阪の堺の実家ぐらしだった. 堺から阪大まで片道1時間半かけて通学していた. 小中高と15分圏内だったし,これまでの職場も住居から概ね30分以内だったので. たぶんあれだけかけて通学・通勤するのは,人生で最初で最後だと思う(し,そうしたい). NAISTは研究室まで徒歩5分,今は往路5分で復路15分だ(坂道なので).

家賃など

NAIST学生寮

大学院生として5年間NAISTの学生寮に住んでいた. 家賃1万円,光熱費1000〜2000円程度(コンロ用にガスを契約すると別途必要), 自動車駐車場は半年で1000〜2000円程度という格安物件だ.

ただし,お世辞にも広いとはいえない. むしろ研究室の個人スペースのほうが,自由に使える領域は広い気がする. そのため,土日でも自然と研究室に行くようになる.

他の人も同じように研究室にくるので,一緒に食事したり何かする機会が自然と多かった気がする. 一種のシェアハウス的で,さびしくもならずに,良い思い出だった.

ただし,様々な事情で研究室から足が遠のくと一気に孤立する可能性がある. 都市とは違い,大学周辺には何もない「陸の孤島」なので,「逃げ場」がないのが辛いところだ.

キッチンと寝室が一体なので,料理をすると暑くなり,匂いも残る. 換気効率もあまりよくなかった気がする.

なお,大学ではURの斡旋をしていて, 間取り1DK〜3DKの物件が3万5千円〜5万円で住めるらしい.

京大近くのワンルームマンション

大体一人暮らしだと5万〜7万円程度が相場のようだ. もちろん,程度を選べば安いところも高いところもあるだろうが. これに加えて,光熱費は1万円くらいはかかる.

駐車場を借りようものなら最低でも月に1.5万円くらいは見込まないといけない. 公共交通機関が発達している京都での生活で保有する必要性もなくなり,車はNAISTを出るときに売却した.

また,敷金や礼金,初回の家賃などを合わせると, 最初にざっと30万円くらいは用意しないといけない. 多くの物件では2年に一度の更新料もかかる. NAISTでは,初回の家賃1万円だけ用意すればよかったので,負担は大きい.

ただし,快適性は抜群だ. (住むところによるが) エレベーターはあるし,収納スペースもあるし,キッチンと寝室は分離されている.

狭すぎて部屋で一日のんびり,ということが寮では難しかったが,こちらでは問題ない.

NAIST寮に入って,耐えられずに出て行く人が毎年何人かは出るらしいが, まぁその気持ちも分からなくはない. 特に,一般のワンルームマンションで暮らしたことがある人にとっては.

そういう意味では,はじめての一人暮らしがNAIST寮でよかったと思っている.

奈良の物価は日本最低水準

京都に引っ越して物価が高くなって困惑した.

実際, 物価指数の統計(PDF)によると, 2013年の指数は,全国51都市の平均を100とすると奈良市は97.4,京都市は101.2,東京は105.9となっている. 最低が宮崎市の97.1なので,奈良の物価はほぼ日本最低水準にあるといえる.

数値では4%ほど京都が高いが,体感的には1割ほど高くなった気がしている. 奈良は土地に余裕があるためか,大型スーパーが多かったので,規模の経済がはたらくのだろう.

ただし,NAISTから買い物に行くには,自動車ないし最低でも原付などの"足"がないと厳しい. でも,今はネットスーパーがあるので,そこまで"足"がなくても苦労はしないかもしれない.

京都は文化が近くにある

一方,京都に引っ越してきて感動したのは, 歩いてスーパーに買い物に行けたり,銭湯に行けることだ. しかも,1つではなく複数. 土地が平坦なので,自転車の移動も苦ではない.

NAISTでは徒歩でぷらっと行ける距離には.コンビニかレンタルビデオ屋くらいしかなかったので, 選択肢が爆発的に増えたので,とても嬉しかった.

また,京都はさまざまな施設が近くにある. バスに乗れば繁華街にすぐいけるし, 行くかどうかは別にしても,美術館・動物園・博物館など,あらゆる文化的な施設が近くにある. 寺社などの観光地も多い.

ほんとにその通りで, NAIST近辺では,食事できるところは限られていて. 誰かの車でカレーかラーメンか回転寿司に行く,というのが主な3択だった. 京都では外食できるとこは無数にある.

まとめ

今になってみれば,NAISTの生活の不満点が挙げられるが,当時としていれば特に不満はなかった. まあ当時は周りのNAIST生も同じような暮らしぶりだったので,あんまり不満を感じることはなかった. 冗談っぽくまわりに何もない,という話をNAISTの人は外部の人ともするけど, 逆になにもないからこそ, 研究室で毎週のように料理をみんなで作って食べたり 一緒に食事やスーパー銭湯に行って,研究の話をする機会があったのだと思う.

都市部の大学院では,学生はあんまり研究室にこないという悩みがあるそうだが, NAISTはみんな別の大学からやってくる学生なので,みんな熱意はあるので, そういう人たちと一種の共同生活をするというのは良い経験だったと思う.

それに,生活費を安くあげるという意味でも,最初にNAISTで寮生活をしてよかったと思う. 月々にかかるお金が例えば4万円の差だったら,5年間で240万円にもなるので, ある意味ずいぶん節約できたと思う.

住めば都とも言うし, (そういえば奈良も京都も古都だ) その土地のよさというのもあるのだろう.

2ヶ月経ったが, 京都での生活は,まだまだ楽しめそうだ.