2014-02-12 自分の時間の使い方を推測せずに,計測する

書類とメール

書類を書いたり,メールを送ったり.

自分の時間の使い方を推測せずに,計測する

数日前から,毎日の自分の使い方を記録しはじめた. その,経緯について書いておく.

時間の使い方について

大学院生活を振り返って,反省することの1つに, 時間の使い方が極めて下手だったということがある.

じゃあ,学部時代は,どうだろうかと考えると, そこまで下手だったとは思わない.

大学院で時間の使い方が難しかったのは, おそらく, 「研究する」と一口に言っても, サーベイや,研究計画,実装など構成要素がたくさんあり, さらに厄介なことに, 研究を経験したことがなければ,必要な時間の見積もりができない, というのがこの理由だと思う. つまり,「勉強」中心だった学部時代は, 高校までで沢山勉強の経験を積んできたので,さほど時間の使い方には苦労しなかったのだと考える.

今後の時間の使い方

この5年間で,研究における,だいたいの時間の使い方はわかってきたけど, もうちょっと考えて,これからの時間の使い方を工夫したいなぁと漠然と考えた.

論文を書いているときに,「これを書き終えたら,あれもしたい,これもしたい」と考えていたのに,いざ終わると,疲れや雑務や何やらで,いつの間にか,やりたいことを1つもできていないことに愕然とした. こういった感じで,なんとなく日々に生活に追われて, 「やりたいこと」が「いつかやりたいこと」のまま人生を終えるなんて,悲しすぎる.

そう思い,どうすれば良いのかを考えた.

推測するな,計測せよ

ソフトウェア業界には,「速度が遅いプログラムに対して,どの箇所を改善すべきか」という問題に対して,

「推測するな,計測せよ」

という趣旨の有名な哲学がある.

経営学の巨人,ドラッカーも, 「プロフェッショナルの条件」の 「Part 3 自らをマネジメントする, 3章 時間を管理する」 の中で,

われわれは,どのように時間を過ごしたかを,記憶に頼って知ることはできない.
...
時間を管理するには,まず自らの時間をどのように使っているかを知らなければならない.

と述べ, 自分の頭の中では,ある会社の会長が,自分の時間の使い方には, 幹部との時間,客との時間,地域活動の時間の3つがあると思っていたけど, 記録をとってみると,どれにも使っていなかった,というエピソード等を紹介している. なるほど,確かに脳は都合の良いことしか覚えていないものだ.

(余談だが,ドラッカーのこの本「プロフェッショナルの条件」は,読みやすくてホントに良い本なので,古本でもよいので,手元に置いておくのを強くオススメする.私は度々読み返している.)

身近な例としてmamorukさんも,

最近、准教授の仕事の3割は大学運営と書いたが、ちゃんと統計を取ってみると違ったようである……。
心理的な負担感によって過大評価してしまっているのであろう。

と書かれている.

まずは,記録することが大切

自分には,TODO管理ソフトや手書きノートは合わないようであるので, とりあえず,テキストファイルに記録していくことにした. 形式はなんでもいい. とりあえず記録していくことが大切だ.

記録といえば, 家計簿はGnuCashを使い,複式簿記で,もう5年以上つけている. 見返して分析するといったことは,あんまりしていないのだけれど, いざこの項目の支出比率を知りたいとなったときに,サッと調べられる. 記録することが家計分析においては大切で, データがなければ,分析のしようがなく,どうしようもない.

「時は金なり」とはいうが,そう考えると時間の記録をしないのは, 湯水のように時間をつかっているようで,もったいない話だ.

もっと早くからやっておけばよかった,とも思うが,過去は変えられない. 若いのだから,今後に,活かしていこう.

記録を初めての雑感

まず,1つめの変化に,時間の使い方に規律が生まれ始めた. ありがちな一日は,ある書類を作り始めて,だらだらし始めて,いつの間にか終えて, 別の作業を初めて,割り込みが入って,いつのまにか一日が終わっていた,というものだ. それがなくなった. どのタスクにどれだけの時間を使ったか,というのをちゃんと記録するようにすると, 1つのタスクに対する,時間の消費効率というものを意識し始めるようになった. これは1つの収穫だ.

2つ目に,タスクを立てる際の粒度に気を配るようになった. これまたありがちなのは,「今日はスライド作るぞ」と意気込んだのはいいものの, なかなか書き始められず,結局ほとんど何もしないまま一日が終わってしまった, という一日. 思うに,それはタスクが粗すぎるのが悪いのだと思う. 背景スライドは15分,提案手法は30分で作る,というようにもう少し細かくタスクを作ったほうが良いのではないかと考える. そういう風にタスクを細分化,見積もり出来た時点で勝ちは見え始めていると思う. まったく経験の無いことだと,細分化や見積もりもできないから…….

タスクの粒度だけど, 15分(クォーター)を1単位とするのが,丁度よいんじゃないかなと,感覚的には思っている.